淡水生物を味わおう!
〜捕って食べよう!〜

売ってる物だけが美味しい食材じゃない。
自分で捕って、処理して、料理して、それで美味しければ言う事なし!
美味しい食材を求めて、いざ水辺へ。


ウナギ
 仕事がワークシェアで休業なのを良い事に、河口のカニ調査に出掛けると、ちょっと小振りのウナギがちらほらと泳いでいます。
 追っ掛けても当然のように逃げられ、諦めかけた時。
 蹴り動かした石の下から2尾のウナギが網の中へゴールイン。
 サイズが小さいなあ・・・とは思いつつも、お持ち帰り。
ウナギ
 まず、ボールに入れて水洗い。
 目釘を刺して、背開きにしようと格闘するも、ウナギが小さい上に包丁が切れない為、やむを得ずぶつ切りに。
 当初の予定では、背開きにして素焼きにして食べようかと思っていたものの、サイズが小さい為か脂が少なく、ぶつ切りになってしまった為、急遽から揚げに変更。

 さて、ウナギのから揚げはどうだったか・・・やはりウナギは美味い!
 脂が少ない分さっぱりとしていて、表面はカリッ!中はふっくらと揚がって、骨ごと美味しく食べられました。

 でも、今度は蒲焼きサイズのを獲って来なくちゃ!


ピンノさがし
 現在、三河淡水生物ネットワークで、矢作川水系&豊川水系の河川域のカニ調査(種数)を行っています。
 その中で、カクレガニの仲間で貝の中に寄生しているピンノ類を探す事になり、それに伴って、自分達で獲って来たアサリ等を食べる必要が出て来ました。
アサリ
 何と言っても、目的はカニ探し。
 アサリの砂出しも、砂を吐かせた後の水の中に残っていないか、まず確認。その後は、食べ易く、カニを探し易い料理を模索する事に。
 油を使ってしまうと、ベタベタになって探し難いという事で、やっぱりアサリは酒蒸しと味噌汁に。
 オキシジミは数が少なかったので、酒蒸しにしてみました。

 1個ずつピンノが入っていないか確認しながら食べ進めて行き、味噌汁の中に沈んでいないか確認しながらの食事です。これが何とも食べ辛い。しかも時間が掛かる。
 とは言え、誤って口の中でプチッと潰したら泣くに泣けないので、ここはジッと我慢です。

 さて、結果はというと・・・・入っていませんでした。
 しかも、その数日後、川で開いたカキの中からオオシロピンノのオスが出て来てしまい、食べながらの調査は無駄に終わってしまいました。

 でも、美味しかったから、ま、良いか。


カマツカ料理【BE−PAL企画】
 3月某日、アウトドア雑誌BE−PALの雑魚党「月刊雑魚釣りニュース」の取材で豊田の川に。狙いはカマツカ!
 カマツカを捕って、その場で調理して食べてしまおうという企画です。
カマツカ
 早速カマツカを捕るべく、網を入れてみるも、ちっこいのばっかり・・・。
 「かき揚げにしかならないよ。大きいの捕らなきゃ!」
 川に入って約2時間。到底満足とは行かないものの、何とかそれなりの量が捕れたので終了。調理開始!
 本日のメニューは、カマツカの塩焼き(開き)と、つみれ汁、雑魚のかき揚げです。
カマツカ
 まずは、つみれ汁。
 大きめのカマツカを3枚に下ろし、鱗を取った後、皮付きのまま擂り鉢へ。
 ちょっと量に不安があったので、アメリカザリガニも剥き身にして入れる事に。
 塩で下味を付け、よ〜く擂り下ろした後、粘りを補う為に片栗粉投入!
 生姜はカマツカの繊細な風味を殺してしまうので、練り込むのはネギのみじん切りだけにします。
 よく擂り合わせた後、白ダシに椎茸と共に落とし、出来上がりを待ちます。
カマツカ
 2品目は、塩焼き。
 今日捕れたカマツカの中から1番大きい3尾を選び、頭を落として開きにし、意外と硬い背骨と小骨を取ったら準備完了。
 塩を振り、網に乗せて焼いていくと、キュ〜っと、見る間に縮んでいきます。
 それでなくても頭の大きいカマツカ。
 元の大きさが判らなくなる程ちんちくりんに。
 しかも、網に張り付いて、折角の綺麗な形が・・・。
 それでも何とか網から剥がし、出来上がり。
カマツカ
 さて、最後は、雑魚のかき揚げです。
 水をほとんど使わず、屋外で簡単に出来るサクサクかき揚げの作り方を、夏丸さんから教わる事に。
 具はニンジンとタマネギ、スジエビにカワムツ幼魚とヨシノボリ。
 卵とよく混ぜ合わせ、その上から、篩に掛けた小麦粉を、水に溶かずにまんべんなく振り掛けて混ぜていきます。
 しっかり混ぜ合わさった所で形を整え、熱した油の中へ。
 なお、魚は苦みが出ないように、内蔵を絞り出してあります。
カマツカ
 盛付けも終わり、ようやく完成です。
 素材にこだわり、器にこだわり、出来上がった料理のお味は。
 「むちゃくちゃ美味い!」
 川ギスとも呼ばれるカマツカの淡白な中にもしっかりと存在する旨味。
 塩焼きはシンプルなだけに、特にそれを感じられます。
 つみれ汁も、何とも言えないつみれのプリプリ感と、その中に閉じ込められた上品な味わいと旨味。
 アメリカザリガニが加わった事で、更に旨味が増し、椀に浮かべた菜の花が彩りと仄かな苦みで春を演出してくれています。
 かき揚げは、余計な水分がない事でサクサクに揚がり、素材それぞれの味わいをまとめていて、美味しかったです。
カマツカ  やっぱり、自分で捕って、その場で新鮮なまま調理して、みんなで楽しく美味しく食べるって、最高のごちそうですね!
 やめられません!
 今回はBE−PALの取材で、道具はもちろん、食材も魚以外はすべて用意して頂き、至れり尽くせりの企画でした。
 今度は自分で用意して、もっともっと楽しみたいですね。
 奥山さん、新見さん、夏丸さんに感謝です。


ドブガイ
 今、貝探しに夢中な管理人。
 自宅の近くでたくさん採れたドブガイの中から、一番大きな個体を標本用にお持ち帰りです。
 とりあえず殻が残っていれば良いので、食べてみる事に。
 あまり綺麗な水質とは言えない場所のため、汚れを徹底的に洗い、捌いた後に塩揉みし、茹でこぼしをして、調理開始です。
ドブガイ
 塩茹でをした貝を、塩胡椒して太白胡麻油でネギと共にサッと炒め、純米酒で香り付けし、軽〜く醤油を回し掛け、完成です。

 臭みもなく、ネギの香ばしさと仄かな日本酒の香り。
 貝柱はホタテの乾燥貝柱を中途半端に水で戻したような、ゴムのような硬さはあるものの、紐と足の部分は硬過ぎず、なかなかの歯応え。

 結果、それなりに美味しかったです。


スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)
 年末、少しぐらい変なものを食べても、休みのため、仕事には影響が出ないという事で、スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)を食する事に。
 とはいえ、元々食用として移入された経緯のある生物で、食べられないはずはない!
 無農薬の水田で採集する事にしたものの、駆除直後で大きなサイズの個体が少なく、やむなく小型の個体を1匹だけお持ち帰りする事に。
 と・・・、オスを選ぶつもりが、あれ?間違ってメス・・・?
ウナギ
 まず、流しでタワシを使って泥を落としてキレイキレイに!
 殻内にも泥や汚れが入っているのと、殻が薄く、調理の際に割れてしまうのを防ぐため、剥き身にして塩揉みし、念入りに汚れを落として下処理終了。
 沸騰した湯で、残った汚れを落としながら充分火を通し、塩茹でに。(寄生虫の中間宿主となっているので、生食ならびに生茹でには注意が必要です!)

 さて、早速、試食ですが・・・、その前に、食べる部分を3つの部位に。
 ・白い足の部分(腹足)
 ・卵巣(未成熟)
 ・内蔵(中腸腺)

 まずは腹足。無味無臭。臭みも無いが、旨味もなし。味付け次第では美味しく食べられる部位。食感もかた過ぎず、まずまず。
 卵巣。産卵直前の卵巣や産卵後の卵塊は食べた事がないため比較出来ないが、未成熟の卵巣はクセも無く、食感はもっちり。腹足同様、旨味は無いが、味付け次第。
 最後に内蔵だが・・・。かじると少しかためで、密度が高くネットリと歯にくっ付く感じ。と同時に、エグミが口一杯に広がり『オエッ!』。早々に吐き出し、涙ながらに口を濯いで、歯磨き。後悔です。

 泥の無い、きれいな水に生息、または泥抜きした個体の、腹足と未成熟な卵巣に限って、少し濃い目の味付けにすると美味しく食べられそうですね。
 個人的には、中から産卵直前のショッキングピンクの卵が出て来るのは嫌なので、オスか産卵期を外したメスで調理したいところです。


ギギ
 現在、矢作川水系で生物調査中の管理人。
 その調査中に毎度毎度網に入って来るのが、もともと愛知県に生息していなかった国内外来種のギギ。
 既に標本は確保してあるし、どうせ駆除するなら、食べてしまおう!
 ナマズの仲間は、基本的に淡白で美味しいので、今回は煮付けにする事に。
ギギ
 味付けは、日本酒と醤油と味醂。
 予想通り、臭みもなく、さっぱりとして美味しい!

 やっぱり、美味しい外来種は食べて駆除がもっとも有効ですね。


オオクチバスとカマツカ
 現在、矢作川水系で生物調査中の管理人。
 その水域でここ数年とっても増えてしまっているのがオオクチバス。
 手頃なサイズが捕れたので、外来魚は食べてしまおう!
 ついでに、たくさんいるカマツカも食べてしまえ!

 オオクチバスは現地でエラを取り血抜きしたものを、ウロコだけ取って、皮付きのまま唐揚げに。
 カマツカは3枚に卸し、皮を引いて、「さあ、何にしようかな〜?」と思ったものの、晩ご飯の時間が迫っていた事もあり、やっぱり唐揚げに。で、骨はもったいないから、骨せんべいにしよう!
 唐揚げの粉は、小麦粉に塩を混ぜただけのシンプルなもの。
 素材の風味を損なわないように、余計な香りと味はそぎ落として調理しましょう。
バス唐揚げ
 さて、皮に臭みがあり、美味しくないと言われるオオクチバス。
 皮付きのまま、低温でじっくり揚げ、高温でサクッと2度揚げした結果はというと、頭から骨も気にならず、サクサクッ!まったく臭みもなし!
 カマツカの身が美味しいのは言うまでもないが、骨せんべいもやっぱり美味しい!
 やっぱり、自分で捕って来た魚を自分で調理して、美味しく食べるって、最高!


カワアナゴ
 河川に遡上するハゼ類の中ではかなり大型の種であるカワアナゴ。
 今年は矢作川水系の下流域で結構捕れてます!

 カワアナゴは美味しい!との情報から、大きな個体が捕れた際には食べてみようと、かねてから考えていただけに、20数cmの個体が網に入った時には「やった〜!」。
カワアナゴ
 さて、どんな調理法で食べようか。
 やっぱりハゼの仲間は煮付けが美味しいだろうな〜という事で、酒、醤油、味醂で調理開始。

 出来上がりは、少し味付けが濃かったものの、身離れも良く、淡白で臭みがなく、それでいて旨味も感じる美味しい煮付けでした。


モクズガニ(ソフトシェルクラブ)
 矢作川水系を調査中、脱皮直後のモクズガニを発見!
 脱皮直後のカニはソフトシェルクラブと呼ばれ、アメリカなどでは脱皮直後のワタリガニの料理が有名ですが、最近は日本でも、食べられる店が増えているようです。(以前は、身入りが悪いため、商品価値が低かった)
 今回はワタリガニではなく、モクズガニですが、大型のメスできっと美味しいだろうという事で、お持ち帰りです。

 ソフトシェルクラブというと唐揚げが一般的なので、そのつもりでいたのですが・・・自宅に帰ってみると、肝心のフライヤーの油が「固めるテンプル」でカチカチに。
 やむを得ず、違う料理法を考える事となり、悩んだ末、「酔っぱらいエビ」を参考に、活きたまま日本酒と昆布塩を混ぜたものに漬込み、その間に次の準備。
 フライパンに油を敷き、煙が出る直前まで熱したところで、酔っぱらって大人しくなったカニを投入!
 カニは一瞬で真っ赤になり、旨味を封じ込め、そこに漬込んだ後の日本酒を入れてフタをし、酒蒸し状態に。
 調理している間は、軟らかい甲羅がプク〜ッと膨らんで、火を止めると、身が少ない分キュ〜ッっとしぼんでいきます。
ソフトシェルクラブ
 寄生虫の中間宿主となっているため、しっかり熱を通し、最後は水分を飛ばして出来上がりです。

 真ん中で切って食べようかとも思いましたが、すべての殻が軟らかいので、まずは脚から順番にかじっていく事に。
 シャクシャクとした食感の脚に、濃厚なミソを蓄えた体はフワフワとし、また最後にはシャクシャクとした脚に戻る。
 とっても楽しく美味しい食材でした。
 あれで、お酒があったらもっと美味しかっただろうなあ・・・。


アユ
 矢作川は、アユの遡上の多い川。
 そんな川での調査中、落ちアユが捕れたので、お持ち帰り。

 さ〜て、どうやって食べようかな?
 1尾だけだし、普通に塩焼きにしても面白くないし、煮ちゃうとアユ独特の爽やかな風味が楽しめない。
 じゃあ、という事で、旨味を凝縮させた開きにする事に。
アユ
 まずは内蔵とエラを取り、頭を割って、開きにします。
 飽和食塩水に開いた物を数分漬込んだ後、キッチンペーパーで水分を拭き取ります。
 表面の水分をきっちり吸い取った後、さらに新しく替えたキッチンペーパーで挟んで3時間ほど冷蔵庫に入れ、塩分を馴染ませながら、余分な身の中の水分まで取り去ります。

 出来上がりは、まさに「一夜干し」。
 でも、完全に干してはないので、スイカのような爽やかな香りはそのままです。
 焼くと、ギュ〜ッと凝縮された旨味に、良い塩加減で、とっても美味しく頂きました。


アユ
 晩秋は落ちアユのシーズン。数100尾が群れて泳いでいるのを発見!
 堰の下で大量に留まっている群れをタモ網で掬い、晩ご飯のおかずとすべく、50尾ほどをお持ち帰りする事に。

 帰宅後、料理別に仕分けし、塩で揉み洗いして汚れを落とし、下味付け。
 全体的に小振りな個体が多かったため、大半は内蔵もそのままに「唐揚げ」と「焼干し」に。
アユ
アユ
 残りの大きめの個体は「塩焼き」と塩引き鮭風に「干しアユ」。
 まだ活きていた鮮度の良い個体は内蔵を出して輪切りにしたアユの刺身「せごし」にし、以前、藤田君からもらった「鮎魚醤」を付けて食べる事に。生アユの爽やかな香りに鮎魚醤の風味が加わり、とっても美味しかったです。
 もうちょっと大きい個体だったら、良かったかなあ〜とは思いつつ、錆びた個体は死ぬのも早く、銀ピカのきれいな個体は元気なものの数が少なかったので、しょうがない。
 ちなみに、「せごし」用に捌いたアユに卵が入っていたので、唐揚げにしてみましたが、こちらも美味しかったですね。

 落ち鮎は程よく油が抜け、さっぱりして良いですね。


戻る        前へ        ホーム